A社の社員であるB氏がマイカーで帰宅しようとバックで国道へ出たところ、高速度で進行してきた高校生Cくんのバイクと衝突。C君はバイクを大破するとともに、5級後遺障害を被った。
仙台地裁は、当事故は「業務遂行上の事故に該当する」と解釈し、A社に対して、
・Cくんの人身障害については運行供用者責任
・Cくんの物的損害については使用者責任
を認めた
この結果、損害額を5181万円と認定し、C君に40%の過失を認めて、
A社に対し3109万円の支払いを命じた。
(仙台地裁 昭和56年6月1日)
自動車事故に関する損害賠償の高額判決
| No. | 金額 | 性別 | 年齢 | 被害者 | 判決年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 3億8719万円 | 男 | 57歳 | 洋画家(死亡) | 1976 |
| 2 | 3億8281万円 | 男 | 29歳 | 会社員(後遺症) | 2005 |
| 3 | 3億5978万円 | 男 | 25歳 | 大学院生(後遺症) | 2004 |
| 4 | 3億3531万円 | 男 | 32歳 | 銀行員(後遺症) | 2004 |
| 5 | 3億2246万円 | 男 | 25歳 | アルバイト(後遺症) | 2004 |
マイカー事故で企業の責任が問われる法的根拠は2つあります。
1.使用者責任(民法 715法)
(例)命ぜられた業務を遂行するため、従業員がついマイカーを使用して事故になった場合、「○○に行け、と命じたが、車で行けとは言わなかった」と主張しても、会社には、被害者に対する責任を免れることはできない。
2.運行供用者責任(自賠法3条)
人身事故を起こしたその自動車について、以下の2要件を満たせば、会社は責任を問われます。業務に従事中の場合は、一般的にこの2要件が共に満たされることになります。
(1)使用者(会社)が運行を支配していたこと
(2)運行による利益が使用者(会社)に帰属すること
マイカー使用形態と企業責任の問われ方
| 使用形態 | 企業責任 | |||
|---|---|---|---|---|
| 業務中 | 通勤中 | 私用中 | ||
| 日常的業務使用 | 日常業務に継続的に使用されている場合、あるいは会社側から業務使用を指示している場合 | ◎ | ◎ | ○ |
| 便宜的業務使用 | 仕事の効率の面等から、社員が任意に業務に使用し、かつ会社がそれを黙認している場合 | ◎ | ○ | △ |
| 例外的業務使用 | 会社の関知しないところで、社員が例外的に業務に使用している場合 | ○ | △ | × |
| 純通勤使用 | いわゆる会社業務には一切使用せず、通勤のみに用いている場合 | − | △ | × |
通勤時における従業員が起した事故に対して企業が負う可能性があるリスクは、自動車に限らず、バイクや自転車、歩行中にも及びます。
マイカー通勤に関しては「マイカー通勤管理制度」の導入整備などの対策が進みつつありますが、多くの企業で自転車や歩行中などに関しては未対応というのが現状です。
しかし自転車だから責任が軽い、賠償額も少ないということはありません!
下記は自転車事故の判例です。
自転車事故で5000万円の支払い命令
当時16歳の女子高生が携帯電話を操作しながら無灯火の自転車を片手運転していた歳、市道を歩行中の看護師女性に追突。被害者女性は手足に痺れが残って歩行困難になり、職も失った事例。裁判所は加害者女性に約5000万円の支払いを命じた(横浜地裁判決 2005年)。
自動車やバイクで通勤する従業員は特定の人物なので、その従業員に自動車保険の加入を義務つけることで対応できます。
しかし歩行中や自転車運転中については、不特定の従業員(ほぼ全員)が該当することから、企業が契約者となり包括で保険対応することが望ましいでしょう。
包括契約タイプの個人賠償責任保険で、1億円まで対応!
しかもプライベートな時間での賠償責任も補償されます
今なら、
安全運転ハンドブックシリーズ
「自動車事故と企業責任」を
もれなくプレゼント!
業務に使用する自動車(マイカーを含む)により生じた企業の責任について、裁判例を引用しながら解説した冊子です。
1.自動車をめぐる企業の責任
2.交通事故裁判判例にみる民事上責任の具体例
3.マイカー通勤管理
付録.自己解決に必要な知識
※同業者の方はご遠慮願います
必要事項をご記入いただき、下記「送信」ボタンを押し、内容に間違いがなければ「OK」を押して送信してください。 入力された情報の取り扱いにつきましては[個人情報保護方針]をご参照ください。